「多文化共生」とは

 

「多文化共生の定義」

南米日系人など外国人住民の増加を背景に、2006年総務省の「多文化共生推進プラン」では「国籍や民族などの異なる人々が、互いの文化的ちがいを認め合い、対等な関係を築こうとしながら、地域社会の構成員としてともに生きていくこと」と多文化共生を定義しました。それから15年、日本社会では世界一とも言われる少子高齢化が進み、一方で外国人住民の増加と多様化はさらに顕著となり、新たな在留資格「特定技能」の創設により永住の道も開かれるなど状況は大きく変化しています。

日本の登録外国人数 2017年
順位 国籍 人数
総数 2,561,848
1 中国 730,890
2 韓国 450,663
3 ベトナム 262,405
4 フィリピン 260,553
5 ブラジル 191,362
6 ネパール 80,038
7 台湾 56,724
8 米国 55,713
9 タイ 50,179
10 インドネシア 49,982

 

「ちがいを越えて仲間として」

今、この国に暮らす250万人を超える外国人の皆さんと、互いの文化的なちがいを乗り越え、対等な地域社会の仲間として、強靱化する自然災害やコロナなどの感染症を乗り越えて、助け合いながら暮らしていく必要性が高まっています。先ずは、「遠い親戚より、近くの他人」とも言いますが、国籍や民族に関わることなく、身近な隣人との助け合いが大切です。まさにSolidárioですね。それが広がることが地域の安定と平和に繋がるはずです。

世界の日系人数
順位 国名 人数
総数 3,600,000
1 ブラジル 1,910,000
2 米国 1,330,000
3 ペルー 100,000
4 カナダ 88,000
5 アルゼンチン 65,000
6 豪州 57,000
7 メキシコ 19,700
8 ボリビア 14,000
9 パラグアイ 10,000
10 チリ 3,000

 

「ブラジル日系人との連携」

私たちブラジル・ソリダリオ横浜が交流するブラジル日系人は、110年余り前からブラジルに移民として渡った人々をルーツにしています。ですから、古き良き日本の伝統文化を大切に持ち続けていたり、ブラジル的ラテン的な陽気でオープン文化を得意としていたりと、ハイブリットな魅力がいっぱいです。そのようなブラジル日系人の方々と、海を越えて地球の反対側同士で世界全体を包み込むように、繋がり連携し合うこと(Solidário)も素晴らしいと考えています。そのような活動が地球規模の多文化共生、安定と平和につながればと、私たちの会は、自らの肩幅でできる様々な活動を行なっています。

「日本人を救った支援」

歴史を振り返ると、第二次世界大戦で疲弊し、飢えに苦しんだ日本の人々に対して外国から届いた食糧支援物資(ララ物資)には、沢山の北米や南米の日系人が提供したものが含まれていたことを忘れてはいけないと思います。横浜みなとみらい新港地区には香淳皇后(昭和天皇妃)がララ物資への感謝を詠んだ歌碑があります。

「ララのしなつまれたる見てとつくにのあつき心になみだこぼしつ
あたゝかきとつくに人の心づくしゆめなわすれそ時はへぬとも」(香淳皇后)  注)とつくに=外国

 

「私たちが今できること」

今、私たちの会はコロナ禍で苦しむ国内のブラジル日系人の方々や横浜市内のこども食堂などへの食料物資・日用品の調達や輸送を支援しています。多文化共生を身近に感じ、地域社会の仲間として共に生きていく取り組みのひとつです。